カンヌからアンティーブへ - その2

旅の1日、しかも写真を撮りたい時には、早朝から出るにかぎる。人気のない朝は思わぬシーンに恵まれる確率が高いから。ここコート・ダ・ジュールはフランスの南端とはいえ緯度は北海道と同じぐらいなので、冬の日の出は遅く、8時である。あまり早くに出ても…

カンヌからアンティーブへ - その1

時として、心地よい土地の名前がある。高校生の頃は、札幌という名前に恋した。テレビで札幌という名前を聞き、本でその名前を読むたびにすぐさま反応し、憧れたものだった。それは、行ってみたい都市への恋焦がれそのものだった。実際に予備校と大学を札幌…

東山魁夷の「道」で思い出したことなど

ー2012年5月にFacebookに書いた記事の転載ー 極上美の饗宴「希望へ続く道~東山魁夷の東北~」を見ました。 http://pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20120501-10-06790 東山魁夷の有名な「道」の題材になった場所、八戸市種差海岸にある…

汽車をヒッチハイクしてしまった話ー真冬の北海道にて

私が学生の頃はまだ、ヒッチハイクがどうにかできる時代でした。北海道ですけど。初めて、ヒッチハイクをしたのは、山岳部に入ってすぐ6月に知床に行った帰りでした。ヒッチハイクで札幌まで帰れというのが、指示であったか、アドバイスであったか、誰かの思…

ジャズ喫茶って、やっぱりいいなあ

先日地方都市に一泊した時ホテルの近所を散歩していたら、如何にも!といった風情の階段の先のきたない壁の向こうからジャズが聞こえて来る。知らなければ絶対に足を踏み入れないだろう感じのみすぼらしい入り口(写真)。ところが、こういう構えの店こそ、…

信州を一人旅した高校生

先日、数年ぶりに信州方面に出張でした。特急あずさに乗って八王子を越えて窓の景色を眺めていると、ましてや弁当を食べる時間帯だと、どうしたって旅行という雰囲気になります。やっぱり、高校時代に八戸から上高地まで一人旅したことを思い出しました。中…

判断を誤る経営者を想定したフェール・セーフ運用思想のすすめ

先般、福島第一原発の事故は人災であるとの報告書が出ました。なぜ、”人災”が起こってしまうのか。最近のベストセラー「失敗の本質」が示しているように(といっても、まだ読んでませんが)、旧日本軍がそうであったように日本人の“エリート”の特性なのか、…

移動じゃなくて、旅がしたいんだよ−はつかりと八甲田のこと

毎週のように出張で新幹線に乗っていると、仕事の移動手段と割り切っているので、特別景色を楽しむということもなく乗っている。夏以外の富士山の姿を眺めるときは少し楽しみではあるけれど、それ以外は雑誌を読むか、パソコンやっているか、寝てるかのどれ…

マロコ、さようなら、ありがとう

6年間家族だったシマリスのマロコが、一昨日突然あの世へ旅立ちました。特別の存在でした。心の整理なぞ全くついていませんが、二日前からのあるがままの想いを残しておこうと思います。マロコへの惜別のために。どんなに特別な存在だったか。 - 2012年4月13…

ニューヨーク滞在二日目

NY滞在二日目=最終日の目的は三つもあった。どこも開いていない朝は、写真を撮りに行くことにする。去年ナショジオの記事を読んで、NYの新しい試みとして紹介されていて、とても印象に残っていた、High Lineという場所。こんなに早く来れるとは思っていなか…

ニューヨーク初日の出来事

初めてのニューヨーク。仕事の出張後、土日の2日間だけ立ち寄って覗くことにした。一番やってみたいことは、美術館めぐりと写真撮ること。思いとしては、メトロポリタン美術館、近代美術館(MOMA)、グッゲンハイム美術館、ホイットニー美術館とそうそうたる…

中庸品質のススメーアメリカ流クオリティと日本の品質の間

先日、アメリカで同じ部屋に一週間滞在し、アメリカ流クオリティを示す例を四つも見つけてしまった。 お風呂の栓がなかった。前に泊まった人はどうしたんだという疑問が先に湧いた お風呂の蛇口の装置が見た目ではわからないけれど、お湯を出す取っ手と、湯…

10年後の自分に選択肢を与える−情報キュレーション実践(その2)

二日ほど前に、その1を書いた。一旦公開してしまえば、気が楽になるもので、変な不安は消えてしまった。さて、続きのその2を、以下に記す。少し長いですけど、お付き合いいただけると幸い。その1を読んでいない方は、「10年後の自分に選択肢を与える−情報…

10年後の自分に選択肢を与える−情報キュレーション実践(その1)

なにはともあれ、こんな大層なことを書いて公開してしまって、大空振りするかもしれないとか、予想もしない反応が出てきたらどうしようだとか、不安がたくさん過ぎっている。でも、この想いと構想をいつかどこかで書いて実行に移さねば、5年後10年後に本当に…

 安心できる技術−電子錠が動かなくなった話

アメリカのとあるところに本日着、それなりのホテルなんだけれども、お風呂に入ろうとしたら、どう見ても湯船の栓がない。海外のホテルには、たまに、自分が知らないだけとか、気付きにくいしくみとかあったりするから、注意深く見てみたけれども、やっぱり…

長谷川潔展、一人の芸術家の一生の仕事を一回の展示会で観れる不思議と感謝

横浜美術館「生誕120年記念 長谷川潔展」を観てきた。 以前図録で見たことがあるだけで、実物は初めて。あまりにも全部素晴らしかったので、何も語れない。一つ一つの作品たちが濃い。 版画の場合、表現と技法が密接に結びついていることが、特によくわかる…

【葉】を撮る

Flickrの【葉】シリーズはこちら。 花に比べるとずいぶんと地味だけれども、被写体としては種類もたくさん、表情豊富で飽きることがない。ちょっと意識して歩けば、どこにでも撮ってくださいと、葉が顔を出している。「葉」と一括りにできないいろんな魅力が…

森での経験と記憶と感覚

絵画の展示会は普通、画家、美術館、コレクションに焦点を当てるけれども、テーマを決めて横断的にキュレーションする展示会は少ない。 先日、東京都庭園美術館「森と芸術 私たちの中にひそむ森の記憶」に行ってきた。タイトルに惹かれたということもあるし…

CAEの精度向上のためのパラメータ同定

先日、「CAE、合わせ込み精度、最適化に纏わる悩み」というテーマで記事を書いたところ、本テーマのご質問者の方から、コメント欄に、 > 精度が不十分でも最適化技術は使える そうなのですか。私もそう信じたいのですが、解析の精度が不十分なために、設計変…

CAE、合わせ込み精度、最適化に纏わる悩み

CAEに関するとても参考になる記事や情報をまとめている「CAE技術者のための情報サイト」に、少し(実は、かなり)気なる問い合わせが、サポート掲示板に掲載されていました。最適化を試してみたいという筆者と、”上司は失敗する事を恐れているのか、まだ納得…

【海】を撮る

Flickrの【海】シリーズはこちら。 港町で育ったからだろう、海には愛着がある。生活感のたっぷり詰まった小さな港で、小さな船、網、ロープ、干してある漁具を見て歩いて、気になるものをパチリ、パチリ。人気のない波しか動くもののない砂浜で、きれいに砕…

【花】を撮る

Flickrの【花】シリーズはこちら。 花はいつどこで撮っても飽きない被写体。何を取っているか、タグで整理しているが、やはり一番多いのは花だ。きれいなのが当たり前なので、当たり前過ぎる撮り方をするとそれほどきれいに見えない。手を抜くとつまらない写…

撮る・選ぶ・見せるを楽しむ−わたしの写真整理法

写真を整理し、1年ぶりにFlickrに写真をアップした。Flickrまでたどり着くのに、わたしの場合、とても複雑な手順を必要とする。 オリジナルデータは、Windows Live フォトギャラリーで管理、ニコンだけはRaw Fileがあるので必要に応じて、露出、ピクチャー…

子リスたちの季節がやってきた

昨年、「4月の楽しみ-子リスたち」を書いて以来、シマリス記事とはご無沙汰していました。まだ3月だけど、今日、もしやと思っていつものペットショップに行ったら、いました!子シマリスがうじゃうじゃとたくさん。毎年見てもおんなじ顔の無邪気な子リスたち…

LED化と間接照明で、節減と生活の潤いを両立させよう

節電の影響で、多くの店・レストラン・コンビニなどが看板の電飾を消している。駅の構内も半分ぐらいに光量を落としている感じだ。 新婚旅行のときに、(ソビエト連邦時代なので)当時一番格安だったエアロフロート機に乗ったら経由地はもちろん、モスクワ。…

信号の機能しない交差点で自律的に止まる驚くべき車集団の生態!

今日、生まれて初めて、停電で信号機が機能していない道路を走り、驚愕の経験をした。 八王子方面から129号を厚木方面に向かって橋本あたりを走っているとき、信号機の明かりが消えていることに気付いた。129号は近隣では、大きな道路だから、信号がなくなっ…

思い込みはいかに判断を鈍らせるか=独自停電実施の顛末!

昨日、意図せずに、我が家だけで、独自に3.5時間の停電をやりましたので、その経緯を報告しましょう。昨日は計画停電のない日でした。ネットでも確認していました。もし実施されていれば、グループ1でしたので、15:20から19:00まで停電になるはずでした。…

品切れが起こるからくりとは?−過冷却と比べた相転移的考察

先に、「スーパーの品切れと渋滞の共通点=みんなが小悪魔」という記事をかいた。その中で、「買占め消費者は存在すると思うし、それは目立つ。他の消費者の買い心理を煽る効果は確かにあるだろう。けれども、全体消費から比べれば、彼らが買う総量は少ないと…

「買い溜め=合法略奪」をしない日本の”品格”を示そうじゃないか

関東地区は、首都圏であり、物流の中心であり、被災地の後方にあって、被災地を支援する立場にある。その関東地区で、スーパーでの品切れが続出している。不安の連鎖が起こっているのだ。 昨日「スーパーの品切れと渋滞の共通点=みんなが小悪魔」という記事…

スーパーの品切れと渋滞の共通点=みんなが小悪魔

震災の影響で、物不足が目立つようになってきた。被災地向けにガソリンや、インスタント食料、飲み物などが優先的に供給され品切れになるのは、当然としても、私が住んでいる神奈川県のスーパーでも、いろんな食料が軒並み品切れか午前中で売り切れてしまっ…

大震災での節エネルギー対策から、持続的社会と新たな日本の役割を想起する

東日本大地震の被害は毎日増え続けている。これまで亡くなった方々に加え、行方不明になった人たちの人数は、残念ながらこれからもどんどん増えるだろう。目を覆うばかりの被害と惨状に言葉もない。被災者の方々は、不幸中の幸いと言ってはおれない過酷な生…

既存設計で勝つ方法論で究極の企業設計力を=Zero Design Cycle Time

ものづくりでは、通常、既存機能・技術8割に対し新機能・新技術が2割と言われる。購買上の外的差別化要因は、いかに、斬新で魅力的な新機能や新技術を他社に先駆けて搭載するか、であることは言うまでもない。発想・発見が求められるのも当然である。しかし…

データの滞留をゼロにする、設計工程におけるJust In Time

Just In Time (JIT)は、「必要な時に間に合うように部品をタイムリーに供給することで、製造過程での部品在庫を可能な限り少なくする」という手法を示す、トヨタ生産システム(TPS)の要の方法論だ。 では、この考え方を設計工程に適用できないだろうか。「…

生活の「心地よさ」をめざす全体最適的価値

最近、「心地よさ」という言葉がとても気になっている。誰でも好きな普通の言葉だろうけれど、特に、この1−2年、自分の中に蠢き出したいろいろな事柄の中心に、心地よさを追い求めているということがあるように思えるのだ。 なぜこの1−2年かと言えば、「精神…

FENとジャズと英語

高校の頃は、ラジオの深夜放送を聞くのが、流行りだった。オールナイトニッポンは、定番中の定番だったから、あの「お〜るなあ〜いとに〜っぽ〜〜ん」というフレーズと、ハーブ・アルパートの「ビター・スイート・サンバ」がとても懐かしい。でも、オールナ…

娘の成人に、文理往復した高校と予備校の頃を想う

娘が成人を迎えた。といっても、バイトのせいで成人式には出れず、特別祝ってやることもしていない。今度、家族で食事に行こうと話している。彼女も昨年1年浪人を経験した。1年前の今頃はだいぶ神経をすり減らしていて、本人も回りも驚くいい結果が待ってい…

絵は理解ではなく感じること、を知った時

「絵は理解ではなく感じること」、を知ったのは、札幌の予備校に通っていた頃。そこは、宿舎付きの予備校で、二人一部屋。初日、気持ちは暗く、親元からも離れてひどく心細い思いをしながら、荷解きをしていたら、バカ明るく、こんちわーっと入ってきたのが…

竹スキーで滑る=簡単が難しい

子供の頃、竹スキーというのがありました。私が生まれ育った青森県八戸市は、雪が少ないので、スケートは散々やりましたが、スキーにはほとんど縁がありませんでした。ただ、少しでも雪が降ると遊べたのが、竹スキーだったのです。本物のスキーとは、全く違…

精神的な成仏への道−平たく言えば、やりたいこと

新年とともに、本当に年が一つ上がるので、毎年正月には強く年齢を意識する。52になった。仕事に関しては、30代〜40代はかなり自分の思う通りのことをしてきたつもりだ。その代償でもないけれど、わが身の至らなさで妻にはかなりの負担を掛けてきたことも事…

今年の年賀状と、抱負を

新年明けましておめでとうございます。ちなみに、今日は、私の誕生日でもあります。気持ちを引き締めるために、昨年の反省と本年の抱負をまとめてみようかと。 昨年は、私の社会人生活の中で、大きな節目となりました。世の中が激動している中、私自身と周囲…

CAEを志す人たちへ−あるいは、専門技術に従事している若い人たちへ

最近、投稿用HPに、CAEエンジニアで一生食っていけるか? *1という問い合わせがあり、ツイッターで紹介されていました。下記のような非常に真摯なコメントが書かれていました。 ・CAE専任部署(規模小さい)へ異動願いを出す予定 ・花形部署から後方支援部署…

ヤマハ・ポプコンというのがありました

その昔、ヤマハ ポピュラーソング・コンテストというのがありました。通称、ポプコンです。それ何?という方は、Wikiのここをクリックしてください。でも、この記事のタイトルに惹かれた方には説明不要ですね。なつかしいかぎりです。 子供の頃、両親が美空…

起2:つなぎの不思議と効用

前に、「起:"つなぐ"であふれる世の中と、つながれていない「設計技術IT」の不思議」という記事を書いた。続きの「承」をすぐに書くつもりだったのに、ずるずると日にちだけたってしまって、今日、駅から家まで歩いている間に、「つなぐ」ことにまた、立…

マインドマップを3段活用で楽しもう!

先日、Twitterで、 「マインドマップは、3回楽しめる。1回目は、書き出しているときの”デトックス”感。2回目は、整理しているときのすっきり感。そして、3回目は、出尽くしてもうないだろと思った後に、新しいアイデア出た時!3回目を引き出せるかが、勝負…

目線がフレームに、脳がカメラになってしまうとき

この前、ビリヤードをテーマにした記事を書いた。3年間、週の3日-5日は、ビリヤード(四ツ玉)漬けだったから、起きている時間でいえば、仕事の時間の次に圧倒的に多くの時間を費やしていた。なので、何を見てもビリヤード玉の配置に見えていた白昼夢の中に…

設計という行為=設計空間を絞り込む

以前の記事で、「サンプリングから学ぶ=攻撃の要は偵察にあり」というテーマで、サンプリング=探索が重要だという話しをした。なぜかの理由をここで示そう。たまに、どうしても、抽象的・数学的な表現をしてしまいたいことがある。こういう定義の仕方をする…