2.1 シミュレーションと設計

CAEの精度向上のためのパラメータ同定

先日、「CAE、合わせ込み精度、最適化に纏わる悩み」というテーマで記事を書いたところ、本テーマのご質問者の方から、コメント欄に、 > 精度が不十分でも最適化技術は使える そうなのですか。私もそう信じたいのですが、解析の精度が不十分なために、設計変…

CAE、合わせ込み精度、最適化に纏わる悩み

CAEに関するとても参考になる記事や情報をまとめている「CAE技術者のための情報サイト」に、少し(実は、かなり)気なる問い合わせが、サポート掲示板に掲載されていました。最適化を試してみたいという筆者と、”上司は失敗する事を恐れているのか、まだ納得…

CAEを志す人たちへ−あるいは、専門技術に従事している若い人たちへ

最近、投稿用HPに、CAEエンジニアで一生食っていけるか? *1という問い合わせがあり、ツイッターで紹介されていました。下記のような非常に真摯なコメントが書かれていました。 ・CAE専任部署(規模小さい)へ異動願いを出す予定 ・花形部署から後方支援部署…

設計という行為=設計空間を絞り込む

以前の記事で、「サンプリングから学ぶ=攻撃の要は偵察にあり」というテーマで、サンプリング=探索が重要だという話しをした。なぜかの理由をここで示そう。たまに、どうしても、抽象的・数学的な表現をしてしまいたいことがある。こういう定義の仕方をする…

最適解よりも、それを導くパラメータを把握せよ

最適化に関する事例や論文を見ると、重量がX%削減、性能がY%向上など、出力値のみを結論として述べているケースが非常に多い。そういう私も事例をお客様に紹介する際は、手っ取り早く成果を目立たせる意味で、結果しか説明しない場合が多いのであるが。 本来…

自動化する/しないの線引きが大切

自動化という言葉もまた、よく使われる一方で解釈の広い使いにくい言葉だ。ここまでは自動化するけどこれ以降はしない/できないという境界線を明確に共有してしまえばいいのだが、得てしてこの境界線が曖昧だったり、共有しないままで話をしてしまうから、問…

Software Robotでコンピュータ作業を自動化

3/3の記事で、Software Robotという概念に基づいて、GEにて革新的なツールが開発された逸話を紹介した。この技術で何が新たに実現されて、何が変わったのだろうか。 実現されたことは、設計者の業務時間の大半を占めていたコンピュータ上での対話型作業の大…

サンプリングから学ぶ=攻撃の要は偵察にあり

「最適設計支援ソフト」という標語でソフトウエアを紹介し始めて、すぐに気付いたのは、聞く人に二つのタイプがあるということだ。 一つは、最適化アルゴリズムを自分で書いたり、試したりしたことのある人で、たいがいはあまりいい経験をしていない。したが…

便利だが誤解を招く言葉「最適化」

「最適化」という言葉は分野を問わずよく使われるので、あたかも世の中の人々が同じ意味を共有しているかの錯覚に陥る。この機能は「最適化」されています、と言われればなんだか、分かったような気になって安心してしまうとことがあるが、実はたいへん危な…

最適解は失敗の学習結果

「最適解」というとどこかにすでに存在していて、それを見つければいいというイメージがないだろうか。理論解がある場合にはそれで正しいが、ほとんどの世の中の問題に理論解はないので、たいがいは、探索していく方法が必要になる。 これを人がやると試行錯…

人生を変えた言葉「設計とは最適化」

スーパーコンピュータ会社に勤務していた頃、社長と元N自動車専務のM氏との会食の場に同席する機会があった。当時私は、N自動車担当のSEというだけで現場代表的に末席にいただけであるが、その場の誰かが、話題が途切れたところで”設計とは何ですか?”と…

ソフトウエアロボット - Software Robot

以下は、私がいた会社の創業者Dr. Siu Tongが、”Software Robot”というアイデアを思いついたときの経緯を書いたもの。この業界では有名な逸話だったが、最近は広められる機会も少なくなってしまった。なので、日本語訳付きでぜひ紹介しておきたい。新しい技…

私の仕事

改まってこういうタイトルで書こうとするとなかなか難しい。とはいえブログの中で書く話題は、私の仕事に関連していることが多いので、最初のテーマとして書いておかなくては。 産業構造の中の位置づけでいうと、「IT産業→ソフトウエア販売業→製造業向け→設…