私の仕事

改まってこういうタイトルで書こうとするとなかなか難しい。とはいえブログの中で書く話題は、私の仕事に関連していることが多いので、最初のテーマとして書いておかなくては。
 
産業構造の中の位置づけでいうと、「IT産業→ソフトウエア販売業→製造業向け→設計開発・生産用途ソフトウエア販売」。主なお客様は、自動車・航空・宇宙・電機・精密・機械・化学・材料といった製造業のCAD/CAE/PDM製品を利用している部門、それと大学や研究機関。

ちなみに3文字熟語は、CAD : Computer-Aided Design, CAE : Computer-Aided Engineering(いわゆるシミュレーションと同じ意味), PDM : Product Data Management。さらに、私が専門としている技術は、CAO : Computer-Aided Optimizationとか、PIDO : Process Integration & Design Optimizationとか、SLM : Simulation Lifecycle Managementなどと、呼ばれている分野になる。IT業界は略語が多すぎるのが、困りものだ。

製造業界向けIT産業の世界では、製品設計において”ものを作らず、実験を行わず、試行錯誤せず”というのが共通の標語になっている。

何を言っているのか思われるだろう。実は“(CADで)ものを作り、(シミュレーションで)実験を行い、(パラメータ設計で)多数の評価を行う“というように、ITを駆使することでバーチャルな世界で設計開発を行うということなのだ。実物ですべて設計することに比べ、格段に期間が短縮され、コストが減り、品質も高まるではないか、という世界である。

バーチャル化が進んだとしても、まだ課題が残る。コンピュータで設計やシミュレーションをしている人たち(設計者、解析者、研究者)は、日夜繰返し計算をして、もっとよい設計をしたいというニーズを持っている。試行錯誤を減らして、効率よく結果が欲しいのだが、その作業手順は専門的でかつ複雑なので、時間と手間がかかることが多い。

例えば、シミュレーション用のモデル作成、データ変更、計算機間のデータ転送、計算実行、結果評価、データベースへの保存というような一連の作業手順を想像してみてほしい。このような作業を人間の手を経ずに自動化して、効率よく仕事を行えるようにする技術は、この10年来日本でも幅広く活用され、大きな効果を上げてきた。根幹になっているSoftware Robotという概念を次のトピックとして紹介しよう。

私は、「つなぐ技術」と称されるこの分野にそれなりの貢献してきたと自負している。普段は3文字熟語やいろいろな専門用語でいっぱいの世界だけれども、やっていることは実は常識で理解できることがほとんどである。技術の中身を知らなくても、何をやっていて、何が問題で、どんな効果が出るかは、普通の言葉で十分に説明できる。まだまだこの分野と技術は十分に認知されているとは言えず、もっと活用されている世界があるはずである。これまでお客様に説明したり、仲間と議論したり、学会で話をしたり、自分の頭の中で考えていただけだったりしてきたいろいろ話題を、このブログに記していこう。

 

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                             今日の1枚
冬晴れの早朝、湖面に波はない。凍てついた桟橋が早朝の静けさを引き立たせる。 

@箱根芦ノ湖畔 - Nikon D100
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