自動化する/しないの線引きが大切

自動化という言葉もまた、よく使われる一方で解釈の広い使いにくい言葉だ。ここまでは自動化するけどこれ以降はしない/できないという境界線を明確に共有してしまえばいいのだが、得てしてこの境界線が曖昧だったり、共有しないままで話をしてしまうから、問題が起こる。”最適化”という言葉と同様、安易に使うとやけどしかねない危険語。


自動化には、まず良悪両方の意味があることが問題。人間を楽にしてくれる、といういい意味もあるが、意図せず、勝手にやってしまうという悪いニュアンスもあるわけだ。両方の意味がある理由は、境界線が曖昧なまま自動化を行ったことから来る経験が生んだものだろう。たとえば、ロボットが登場し始めたころの一番の危惧は、自動化が行き過ぎて暴走するのではないか、ということであったりした。


ソフトウエア・ロボットの概念での自動化には、明確な線引きがある。”コンピュータの操作作業を自動化する”ということだ。作業だから、人間が行う必要は全くない。ここまでは、誰でも納得するだろう。


次に、シミュレーションの実行作業を自動で行った結果として、最適解探索したのちの設計パラメータや出力も”自動的に”出力される。大量の生データとともに、条件を満たした満足解や、一番よさそうな最適解も出力される。


しっかりと分析できるデータを短時間で得られるわけだ。本来、この結果を、分析・検討するのは、人間である設計者の仕事であるはずなのだが、それを行わず出てくる結果を、”何も検討せず自動的に”使ってしまう利用者が、まま出てくる危惧も指摘されてきた。


問題なのは、その危惧を”自動化”のせいにし、さらに自動化を行うソフトウエアを使うと設計者の質が落ちるという、ネガティブ論に発展させてしまう人が、少なからずいることである。これは、明らかに問題把握の誤りである。


自動化ということを正しく常識的に理解して、使い方と教育しだいだということがわかれば、むしろ、何十倍の効果を発揮するのである。間違った理解でせっかくの道具のよさを生かせないのは、つくづくもったいないと思う。


さもわかったような口ぶりで、「自動化が悪い”」という人は、同時に、「設計者は考えるのが仕事だ」と、当たり前のことを言う。まさに、考える時間をたっぷり与えるために、”無駄な作業を自動化”してくれる道具だというのに、「その本質を理解しない、あなたの頭の方が悪いのでは?」とブログだから、少々きつい言葉で言わせてください。


今の言葉、今まで当人たちの前では言えなかったから、あーすっきりした!

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                          今日の1枚 、じゃなくて、2枚

2010/3/16
昨年はじめてインドに、バンガロール。富豪と貧困、最新建築とゴミが雑然と同居していながら、不思議な魅力。もう一度行きたい。カメラを向けたら、集まってきた無邪気たっぷりの男の子たちと、素直にポーズを取ってくれたかわいいこの姉妹がとても印象に残っている。

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                          今日の1曲
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キャノンボール・アダレイ・クインテット・イン・シカゴキャノンボール・アダレイ・クインテット・イン・シカゴ
(2003/04/23)
キャノンボール・アダレイ

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[Stars Fell On Alabama]
実は、Cannonball Adderley & John Coltraneとなっていて、Coltraneを聞くにもいいのだけれど、やはり、このアルバムは、Cannonball。特に、日本語曲名「アラバマに星落ちて」のCannonball(アルトサックス)とWinton Kelly(ピアノ)のアドリブは、ジャズを聞いたことのない人でもたぶんすーっと入ってくるぐらい、メロディック。まるで楽譜があるんではないかと思うほど。こんなに心地よいアドリブはめったにない。ジャケットも、遊び心があってとても気に入っている。