FENとジャズと英語


高校の頃は、ラジオの深夜放送を聞くのが、流行りだった。オールナイトニッポンは、定番中の定番だったから、あの「お〜るなあ〜いとに〜っぽ〜〜ん」というフレーズと、ハーブ・アルパートの「ビター・スイート・サンバ」がとても懐かしい。でも、オールナイトニッポンは、おしゃべりが多くて、聴き始めてしまうと勉強どころではない。


そのうちいつからか、米軍の流すラジオ局FEN (Far East Network)をよく聴くようになっていた。*1八戸市に住んでいたので、米軍三沢基地が地く、FENの電波がきれいに届いていたのだ。高校生が本物の英語を理解できるわけはなく、ましてや英語は全然得意じゃなかったから、もっぱら、英語のDJの心地よいフレーズの中に流れてくるジャズやアメリカで流行の音楽を聴くためだった。




言葉がわからない分、聞き流せるから、勉強しながらBGMで掛けているのがちょうどよかった。特に、Smooth Jazzを聴かせる番組は、ジャスの中でもおとなしい、メロディックな曲が多かったから、番組の雰囲気にどっぷり浸りながら、夜中に本を読んだり勉強をしていると、とても心地よい時空間に満たされるのだった。


英語をまともに話すようになったのは、30過ぎてからだったけれど、あるときアメリカ人の同僚から、お前の発音は日本人にしては、いい発音けど、どこで習ったんだ?と質問された時は、とっても嬉しくて、でも留学や長期滞在の経験はなかったから、自分でどうしてだろう?とその時は不思議だった。その後、唯一ネイティブの発音を聞いていた時期は、高校時代の深夜のFENしかないと思い出した。自分では、ちんぷんかんぷんで聴いていたFENだったけれど、知らず知らずのうちに、耳から発音が染みついていたんだなぁと、妙に感慨深く思い出したものだった。




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*1:今は、AFN(American Forces Network)という名前になっているようだ。